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文楽の観劇会

2014年02月28日

 

 2月半ばの大雪が降った翌日に文楽鑑賞をしました。余裕を持って家を出たのに、電車の遅れがあったうえ雪道を滑らないように歩き、会場到着は開幕ぎりぎりでした。

同窓会では歌舞伎・文楽・日本フィル演奏などの観劇会を年数回(主に新春と秋)行っています。毎回ではないのですが解説の会や舞台裏見学などのサービスがつきます。今回は公演終了後に三味線方の野澤錦糸氏による解説の会がありました。夫人の高次喜美子氏(82文日)は、文楽の魅力を伝える活動をされ、同窓会の観劇会の便宜を図ってくださっています。

最初の演目は初春らしく七福神が宝船の上で芸を披露する「七福神宝の入舩」です。狭い宝船の中で20余人の人形遣いが自在に表情豊かに人形を操り、十数人の太夫と三味線方がずらっと並び、華やかに謡い奏でました。錦糸氏からこの演目が元々はお座敷芸であったと教わりました。

2つ目の演目は「近頃河原の達引」で猿廻しの家族の話です。錦糸氏がこの家族の特徴に気づいたかと問われました。私はとっさにはわかりませんでした。母親は目が見えず三味線を教えている。兄は猿廻しの親孝行者、でも字が読めない。知的な遅れがあるということです。妹は遊女。母親と兄が字を読めない故の悲しくもおかしみのある展開となります。母と兄は、妹がお尋ね者と心中することを知りながら、皆でめでたい猿回しの祝言をするところで幕が下ります。この家族の様子が暖かくユーモアいっぱいに演じられます。例えば兄が食事をする様子。お櫃からご飯をシャモジで茶碗にてんこ盛りによそい、漬物を箸でつまんでブラブラと見せびらかせてから嬉しそうにご飯の上にのせて、ガツガツと何杯も大喰らいします。人形だからこそのぎこちない大げさな動きに観客は大喜びでした。身分制度の社会ではあっても、障害があり、社会の中での地位が低く、貧しいが一生懸命に生きている人たちをおおらかに、温かく包む空気があったことを知りました。

文楽鑑賞は2度目の初心者であるし、障害者関係の仕事をしていたのでこのような描写、感想になってしまいました。錦糸氏は、三味線の弾き方ひとつで子どもらしさ・色っぽさ・おかみさんらしさを表わすことや太夫との競演の醍醐味を、実演しながら話してくださいました。芸の豊かさ、細やかさを段々と味わえるようになっていきたいと思います。

 

同窓会の観劇会は文楽、歌舞伎などの古典芸能の愛好者を増やす力になっています。その収益は同窓会の活動を支えています。感謝です。友人やご家族との交わりの機会に、お世話になっている方への感謝に、そしてご自分へのご褒美に参加してくださると嬉しいです。

 

                  同窓会会長  山田純子


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