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安井先生のことば

2013年12月03日

 

先日、新渡戸先生と安井先生の精神について、卒業生がどのように語っているのかについてお話する機会がありました。大学発行の「旅人われら1,2」と同窓会編集の「DVD東京女子大学同窓会90周年記念 卒業生が語る新渡戸先生・安井先生」を参考にしました。両方とも素晴らしい資料です。多くのことを学びました。

 

卒業生が語ったおふたりの精神を次のように分けてみました。1学生時代に教えられて実感したこととして、「人格の尊重」「自由」「個の確立」「凡そ真なること」「リベラルアーツ」がある。2キャンパスに漂う精神、生涯の指針・理解していく精神として「犠牲と奉仕」「サムシング」「実践倫理で教えられたこと」がある。そして3おふたりの人柄と学生との交流によって1と2の理念が伝えられる、と3層にしたら、理解しやすくなりました。

 

今回は、卒業生が人生の指針となったと挙げた「安井先生が実践倫理で話されたことば」を紹介します。先生は1年生の実践倫理を担当されました。学生の名前をすぐ覚えられるのは有名で、歩いていた時後ろから名前で呼びかけられてとても驚いた、「どうしてんの、元気?」と温かいがぶっきらぼうに声をかけられたと、みなさん懐かしく語っています。

卒業生が挙げたことばの紹介をするとともに私の思いを少々書き加えました。

その1 「学校で教えたことが実現するのは長いことかかる」

昨年、関西6支部による関西園遊会主催による学長懇話会で、100歳になられる同窓生にお会いしました。その方が顔を輝かせて「歳をとるにつれ、東京女子大の良さがわかり、喜びを感じる」と言われたことを思い出します。私自身も東京女子大学でまかれた種が様々な経験を通して、成長しているのを実感しています。

その2 「内気は卑怯である」

これを聞いた卒業生は、「内気が批難されることとは思っていなかったのでびっくりしたが、腹の底で受け止め納得した」と語っています。私もつい勇気がなくて、言えず、行動しないことがありますが、それは卑怯なことだと、改めて心に言い聞かせました。「凡そ真実なこと」につながることばだと思います。

その3 「満たされざる空間を埋める者になれ」

このことばをその後の生活の指針とした卒業生は、「安井先生は、頭でっかちにならないで社会福祉・奉仕などに関心をもって欲しいと思われたからおっしゃったのだ」と語っています。これは新渡戸先生がジュネーブから送られた第1回卒業式の式辞の中にある「いと小さき者」と関係があることばだと思います。安井先生が、関東大震災の後に学生に仮設住宅の家庭訪問をさせて要望を聞く活動をしたこと、公娼廃止運動をする団体を支援し、その機関誌に文章を寄せたこと、視覚障害のある女性の自立生活を支援する団体の後援会会長になったなど、目立たない所で様々なことを実践されていたことを知りました。「旅人われら」で語っている多くの卒業生が、様々な満たされざる空間を埋める者になられていて、同窓生として誇らしく思うとともに、自分のまわりを改めて見直さなくてはと思わされました。

その他に、「真心さえあれば」、「自分のことを大切にしなさい、人のことをよく考えなさい」、「人と話すときは相手の目をみなさい」、「群れを作るな」、「ひとりで暮らしているときに、そこに神様がいてくださると思いなさい」、「ハッピーでなければいけない」があります。安井先生のお姿を想いながら、これらのことばをかみしめたいと思います。

同窓会会長  山田純子


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