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震災のこと

2016年03月31日

 

大越健介講演会

3月5日(土)に標記の講演会を開催しました。『キャスターの仕事で見えたこと』と題した大越氏のざっくばらんで視野の広い話に、会場いっぱいの聴衆は時を忘れて聞き入りました。東日本大震災から5年目になるので、幾度も訪れている被災地のことも話していただきました。参加費の一部を被災地への寄付とし、106,400円寄付することができました。感謝いたします。復興が進まない被災地のこと、将来への不安を抱えながら避難生活をされている方々のことを思うと胸が痛くなります。

 

私の震災の取り組み

阪神淡路大震災があった1995年、私は東京都の職員として障がい者の地域生活支援の仕事をしていました。この震災時には、障がいのある人たちが避難時や避難所生活を送る上で多くの困難に遭遇していたことがわかりました。そこで私の所属する部署では10の障がい当事者団体と共に、避難経路の検討や福祉避難所作りの提案の意見書と、障がいのある人たちにとって分かりやすいイラストを多用した『要援護者と支援者のためのガイドブック』を作り、区市町村に提示しました。障がいのある人の声を基にした画期的な仕事ができたと自負しています。でも個人的には、職場が組織改正したばかりの混乱時の、頼りない管理職であったという苦い思い出と重なります。

 

介護保険制度が始まった2000年、地域貢献を建学の精神とする千葉市内の福祉系短大の介護福祉士養成専攻の教員になりました。

2007年の中越沖地震の後、学生に現場体験をさせようとボランティア派遣をすることになり、引率しました。その後、「災害に対応できる介護福祉士を育てよう」の目標に向かって、専攻全体は結束し、様々な取り組みをしました。例えば、災害に関することを各教科で取り上げる。高齢者施設における災害準備の実態調査をする。震災ボランティアについての講演会を開く。学園祭で災害時の模擬体験を行う。地元の高齢者学校生と短大生の交流事業は防災についてグループ学習をする。短大の紀要に共同研究発表する等。さらに私個人としては、地元の災害に関しての公開講座に半年間出席しました。この取り組みで某財団の助成金獲得を目指しましたが、それは叶いませんでした。でも、専攻主任のリーダーシップの下、専攻全体で協力して取り組み、やりがいのある幸せな時でした。

 

2011年3月、東日本大震災の直後に退職しました。その年の秋、所属するNPO 法人の石巻市での5日間のボランティア活動に参加しました。海岸の清掃、仮設住宅での支援物資の配布、高台にある家で津波被害がなかったために支援の対象外になった人たちへの食料品配達等です。被災の凄まじさと、支援のあり方の難しさを知りました。

 

取り組みの継承・発展

在職していた短大は、東北の被災地と千葉県内に集団で避難している障がい者施設の人たちへのボランティア活動を行っています。昨年の秋、突然、専攻主任から電話がありました。「千葉市として初めての高齢者と障がい者を受け入れる専門的な拠点的福祉避難所になったのよ。10月にその運営訓練をするの。山田さんが始めてくれたから、ここまでできたのよ」と弾んだ声の報告でした。私の都職員として始めた災害への取組みが、短大で活かされ、私の退職後も育てられ、地域に根づかせる地道な努力によって、蕾をつけるまでになったと思いました。訓練の様子はNHK「首都圏ニュース845」で放映されました。

 

半年間通った公開講座の講師が力説したことばを、皆様と分かち合いたいと思います。

「日ごろの地域の人たちとの付き合いが、私たちの命を守ります。」

「災害時、あなた方ひとりひとりがリーダーになってください。」

            同窓会会長 山田純子


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