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ドクダミ考

2011年06月04日

 5月下旬、霧雨の降る薄暗い夕方、我が家の空き地を足下の濡れるのを注意深く避けながら歩いていると、無数の小さな白い花を発見。「こんな所にいつ植えたかしら――――」とかがんでよく見るとドクダミの花であった。嫌われ者とはいえ、ドクダミを2,3輪コップに活けて玄関などに置いておくと、屋内の不愉快なカビの臭い消しになる。4枚の白い花びら(実は総ほう、本物の花弁は真ん中に棒状に密生する)やハート型の葉も楚々として美しい。又ドクダミには抗菌作用があり、ニキビ対策やお肌の手入れに使われ、動脈硬化予防や利尿作用もある由である。他に梅雨時に映える身近な植物にはアジサイ、百合、ウツギなどもある。梅の実が熟すのもこの頃である。それにしても、抗菌作用のあるドクダミや梅の実がこの時期に存在感を発揮するのだから、自然の仕組みはよくできていると思う。 

 話は変わるが先日、スイカ(多分小玉)をご馳走になった。クリスマスあたりに出回っていたイチゴには5月下旬ともなると、あまりお目にかからない。けれどもイチゴは何といっても5月中旬に出てくる小粒で真っ赤な露地物が、味もしっかりしていて美味しいと思う。先日のスイカは気の抜けたような味であった。幼い頃、かんかん照りの真夏の太陽の下、かぶりついたあのジューシーなスイカの味は未だに忘れられない。 

 現在の日本人が50年前の生活に戻ることは今となっては不可能かもしれない。けれども真冬のイチゴも、初夏のスイカも、年中お目にかかることのできるキュウリも、自然の仕組みに逆らって人工的に作られたものであろう。原理的には現代の我々の衣食住全てについて同じことがいえると思う。自然の仕組みに逆らうためには膨大なエネルギーが必要である。これは狭い国土に恐ろしいほど多くの原発が作られてしまったことと無関係では あるまい。―――ドクダミの花から憂鬱な話になってしまい、ごめんなさい。                                                                                                                       一柳 やすか                    

  最後に我が意を得たりの一句,「ドクダミや 真昼の闇に 白十字」(茅舎) 

参考:Wikipedia 一柳 やすか                                                                                                         ひ人つっひと   


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