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<報告>5/24、31 前期キリスト教講座

 

「ヨハネの黙示録」を読み解く 象徴世界から今を見つめる

 第1回 5月24日(木) 15:30から 「ヨハネの黙示録」をどう読むのか

 第2回 5月31日(木) 15:30から 象徴世界から今を見つめる

 

  東京女子大学教授 遠藤勝信

 

 遠藤勝信先生の講義と言えば、学生からも非常に聴きやすい、よく理解できる、納得するなどの評価が高く、今まで興味のなかった人たちにも改めてキリスト教というものに興味を抱かせると評判である。今回は「ヨハネの黙示録を読むのか」という難解な課題であったが、先生は終始、大変な熱意で講義してくださった。

 第一回目は、ヨハネの黙示録の読み方について解説して頂いた。意外にも、黙示録は古代教会でよく読まれ、重んじられていたとのこと。しかし、二世紀以降に台頭した異端運動の首謀者らが同書を多用、曲解したことへの警戒心から教会では読まれなくなったのだそうだ。しかし、ヨハネの黙示録を、旧約聖書およびユダヤ教の黙示文学の伝統に基づいて繙くとき、それは、決して正統的信仰からの逸脱ではなく、継承であり、展開であることが見えてくる。

 「黙示録」と訳されるギリシャ語は「アポカリュプシス」であり、それは「覆いを真理から(アポ)、取り除く(カリュプトー)」の意である。つまり、「アポカリュプシス」とは、決して「世紀末の不安を煽る教え」なのではなく、現実世界の現像(帝国の権力、富、偶像)に惑わされて生きる人々を象徴世界へと誘い、そこに示される真理をもって生き方を正し、あるいは励ますことに本書の目的があるのだと言う。

 講義の終わりに、本学図書館で開催(5月19日から6月29日)されていた「欽定訳聖書とその周辺」展(遠藤先生が監修)を、遠藤先生に解説して頂きつつ見学した。

 

 第二回目は、「象徴世界から今を見つめる」というテーマで、講義された。黙示録は、よく推敲され、考究された構成と最新の技巧をもって構成された見事な文学作品であることを詳しく解説してくださった。例えば、黙示録の筋書(プロット)のなかに七つの災いが三回盛り込まれている。しかも、その七つの災いのうち、先の四つがひとつに括られ、次の二つが詳述された後一旦幕間が入る。その後、第七の災いが起こるという形式は、それぞれ三つの災いの語りに共通している。

また、七つの教会へのメッセージも特徴的である。七つの教会に対するメッセージには共通する形式が観られる(人の子の描写⇒賞賛⇒叱責⇒奨励⇒報酬)。しかし、同時に多様性も観られ、スミルナ、フィラデルフィヤの教会は褒められっぱなしだが、エペソ、ベルガモン、テアテラには賞賛とともに叱責も語られる。サルデスとラオデキヤには叱責のみである。それらの相違と類似のバランスが何とも絶妙である。

 上記の文学的配慮により、著者は読者を丁寧に導きつつ、天の視点から、また終わりの視点から今を見つめさせ、終末のときを如何に生きるべきかを神の民に示しているのだと結ばれた。

 先日、「美の巨人」(テレビ東京)で、本学のチャペルが紹介されたことを受け、講義後に遠藤先生のご案内で、レイモンド設計のチャペルを見学した。

 

講義は難解であったが、ヨハネの黙示録がいったい何を語ろうとしているのかを真剣に考える機会となった。難しさを覚えつつも、遠藤先生の講義は面白かった。二、三年後にはヨハネの黙示録に関する遠藤先生のご著書(NTJ新約聖書注解―ヨハネの黙示録上・下巻)が出版されるそうである。出版を心待ちにされる方、遠藤先生の講義をまた聴きたいと願う方も沢山いらした。今度も楽しみである。       

企画委員会



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